「一体どうしたの。
どうしてあんな鷲がここにいるの。
あなたたち、鷲に何か悪さをしたの。」
2人の無事な顔を見て安心したかおるは、
まだ外では鳶と鷲が戦っていると言うのに、
気にならないような顔をして事情を聞いている。
「何もしないよ。
僕たちはただ向こうの出店がある前で釣りをしている人や、
釣れた魚を見ていただけだよ。なあ、鳶人。」
「はい。」
鳶人は、余程怖いのか青ざめた顔色をしている。
それでも孝史に声を掛けられ、
かおるの姿があることでしっかり返事をした。
「そうしたら猫が魚を加えているところを見たから,
後を付いて行ったんだ。」
確かにあの辺りは猫が多いから有り得るが…
それにしても鷲が何故子供を狙うのだ。
おなかが空いているのならまず猫を狙うべきではないか。
かおるにはこの現状は不可解だった。
「魚をくわえた猫が人のいないこっちへ来たから、
僕たちは戻ろうとしたんだよ。
そしたらいきなり鷲が来て鳶人を掴んだんだ。
鷲の足って大きくて頑丈だよ。
鳶人は軽いし…
だから僕は驚いたけど、すぐに鳶人に飛びついて離さなかった。
一度は僕まで宙に浮いちゃったんだよ。
その時に銀杏丸が来て…
鷲の奴、驚いたのか僕たちを離した。
だから鳶人を抱えて走って隠れる場所を探して…
ちょうどここに洞穴があったから入った。
そうしたら鷲の奴、怒って銀杏丸をやっつけようとしている。
鷲だからって偉そうに。
だけど銀杏丸、大丈夫かなあ。
僕が顔を出すと襲って来る。
一体何なのだ、あの鷲は。」
孝史はかおるが来た事で元気が増しているようだ。
「じゃあ、あの鷲は鳶人を狙っていたと言う事なの。」

