体調を崩した父王の代理でニューヨークを訪れた、フェニス国の第二王子、十五歳のロリイル。目的を果たして安堵した時、いきなり奇襲され、侍従のサイと共に逃げ出し、カルと言う青年に助けられた。国は兄ルミイルに乗っ取られ、父の行方は不明、という事を知らされた。
それからロリイルとサイの浮浪の生活が始まった。ニューヨーク、シカゴ、日本の神戸。
それでも１７歳の誕生日には、京都で愛菊と言う舞妓に出会い、初恋を体験。それは何をしても心細く、不安な日々を送っていたロリイルにはまったくの別天地だった。
ロリイルの国外追放にも係わらず、家族のような本田ファミリーは１７歳のロリイルを支えてフェニス国へと向う。荒廃したフェニスをロリイルは立て直す事が出来るのか。