いつもは極力自分でやるようにしている着替え。 今日はなんとなくそんな気分になれなくて、風を使った。 一瞬で来ていた服から制服に変わる。 楽だな…… 私は少し眠たい体を引きずってスクールバッグに教科書とケータイを入れた。 あ……… そういえば蓮士のケータイ。 どこやったっけ? 私がブレザーのポケットに触れると、タイミングよくそこが震えだした。 …電話? 黒い、何もついていないそれを開きディスプレイを見ると『嘉』の文字。 嘉からの電話だった。