溺愛キング

類さん家を出て、止まっていた車に矢耶を乗せる。

もちろん、二人共後部座席で、矢耶の肩をずっと抱いたまま。


「意外と早かったな。矢耶ちゃんおかえり。かなり心配したんだかんな」


心はミラー越しに矢耶を見ると車を走らせた。


「ごめんなさい。心ちゃん、会いたかったぁ」


今にも抱き付きそうな勢いで矢耶は心を見た。


「くあぁー!矢耶ちゃん、俺やられたっやべぇわ」

『心!!前見ろっ危ねぇ!』

「藍、肩いたい」


思わず手に力が入ってしまった。


『悪い』

「あのね、あお、手、離して」

『あ?』


ついつい、口調が荒くなってしまった。


「睨まないでよ。ほんとに嫌いになっちゃうよ?」


そんな可愛い顔ですごい発言をするよな。


『ごめんごめん、矢耶、それだけは、まじ勘弁』

「じゃぁ一週間は触らないでね」

『え?』

「それで許してあげる」

「一週間、何もしてこないでね」


満面の笑みで矢耶は、俺に死刑宣告した。