僕は1年2組へ向かう。


《一目惚れしました》と言ってくれた彼女の元へ。


太田さんの所へ。


『太田さん?ちょっと良い?』

クラスの人達はびっくりしていたけど、もう慣れた僕がいる。


『あの手紙の事なんだけど…やっぱり…俺、大事な人がいるから…』


『…そうですか…そうですよね!!!鈴木先輩かっこいいから…モテますよね。
鈴木先輩の好きな人が羨ましいです』


『…俺は君が思ってる程いい奴じゃないよ…』

『私見る目はあります。先輩なら幸せにしてくれると思ったんです。先輩!!頑張って下さいね』

『ありがと』

『じゃあ、さようなら』



《先輩なら幸せにしてくれると思ったんです》



僕は人を幸せに出来るのかな…




『優~どこいっとったん?』


昨日友達になった安里が教室に戻ると尋ねてきた。


『ん~一年生のとこ行ってた!!』


『優はいいな~モテモテで』



『モテねぇよ』


『俺、優の事かっこいいと思うよ?一年の時から思ってたし!!友達になりてぇって思ってた』


『まじ~?もう友達やん』


『友達になれて良かったし!! 俺は部活ばっかで女どころじゃねぇからなぁ…』


『部活何やってんの?』


『サッカー』


安里の答えを聞いた僕は心のどこかで納得をしていた。


『かっこいいな!』



『さんきゅ!じゃあな!』


『頑張れよ!』


安里は爽やかに僕の前から去って行った。