『辛かったでしょう?』
『はい…あの…教えてください…百合がここで過ごした3ヶ月を…』
『いいわ、百合ね、最初ここに来たときは、まだ慣れていないせいか、毎日のように泣いていたわ。
写真を見ながら。
あなたの写真をね。
いつも《会いたい》って言っていた。
私達にはどうする事も出来なかったわ』
『はい…』
『でね、私聞いてみたの。あなたの事をね。
そしたらあの子、
笑顔であなたの事話してくれてね。
ホントに好きだったのね。会話が途切れる事なかったから。
それから、だんだん慣れていってね。みんなと仲良くなったのよ』
『百合はどんな子でした?』
『可愛くて、いい子でね。ホントにみんな百合の事が好きだったわ。
また…会いに来るって言っていたのにね…
残念だわ…』
ティファニーは目に涙を浮かべた。
『ついてきなさい?』
ティファニーは僕をどこかに連れて行った。
そこは、家の裏。
裏には海が―面に広がっていた。
『百合ね、この海を見て
《この先に優君はいるかな》って言っていたわ』
次々に流れる涙。
百合も僕と同じ事を思っていたんだ。
『…百合は…幸せでした?』
『幸せそうだったわよ』
僕は
それだけで救われる。


