ずっと先にいたのはね、

私の両親と同じぐらいの歳の人が二人いたの。


どことなく誰かに似ていた。


でも思い出せなかった。


私はね、その人達に尋ねたの。


『空の上って変ですね。もっと思い出したい事たくさんあるのに、思い出せない』って。


するとね、

『空の上には大好きなモノしか写らないのよ』


って答えてくれたの。


今写っているのは、


優君だけ。



私の大好きなモノなんだ。

そしたら、

涙が出ちゃったの。


そしたら、

その人達が抱き締めてくれた。


私に声をかけてくれた。


『ねぇ…見て?』


私は顔を上げた。

そこには、


男の子と女の子が写っていた。


『この女の子ね、あなたと同じ年頃なのよ?』


『可愛いですね』



『そう?私達、この子達を置いていってしまったの。すごく後悔しているわ…』


『……ここはどこなんですか…?』



『…知らない方がいいわ』


私の夢はここで途切れたの。


起きると、


目に涙があった。



この夢がもしホントなら…

私怖いな…


私、優君の声が聞きたくて、


何回も電話をかけようとしたけど、


出来なかったの。