この涙が枯れるまで


愛しい優君の姿が。

優君は私が探しものをしていると、すぐ気付いてくれたよね。


だって優君の手の中に私が探していた指輪があったのだから。


私、すごく動揺したんだ。

恥ずかしくて。


もうこの気持ちは抑える事が出来なくなっていた。


だから私は言ったの。


優君が好きって。


意味のない事をした。

優君には広瀬さんがいるのに。


でも優君は

私を抱き締めてくれた。


あの頃と変わらない


暖かい温もりで。


私は涙が出た。


もうこんな事はないと思っていたから。


再び包み込まれる私の体。

だんだん熱くなっていく。


優君が私を包んでくれていたから。


私は


幸せだと思ったの。


そして、


優君は私を選んでくれた。

すごく

すごく

幸せ。


でもね、広瀬さんに悪いと思った。


私…

広瀬さんに感謝したいな…

ありがとうと言いたいな。

私と優君がまたひとつになれたのは、

広瀬さんのおかげだから。


叶わぬ恋だと思っていたモノが、


叶った恋になった。


私ね、

諦めちゃダメだと思うの。


叶わないと思っているから、叶わないと思う。


叶うって思っているから、叶うんだと思うの。