次第に百合達の声が聞こえる。
『滝川先輩やめて!!』
『何でだよ!!』
『もう無理だから』
『意味分かんねぇ』
男の人が、百合の腕を掴んでいた。
百合は必死に抵抗をする。
『ちょっとやめろよ』
僕は二人の間に入った。
『優君!!??』
百合は目を丸くして僕を見た。
『お前…誰?』
『百合の友達です。百合が嫌がってるじゃないですか。やめて下さい』
『は?お前には関係ないし。つかお前の事見たことあるわ、この前体育館で相沢と喋ってただろ』
──ドクン…
何で知ってるんだ?
百合が聞いたらまた百合の距離が遠くなってしまう…
でももう遅いんだ。
道路を通る車のライトが、僕たち3人を包む。
『そんな事関係ないだろ?』
『お前相沢と付き合ってんの?すごい仲良さそうだったけど?』
『付き合ってませんから。俺には好きな人いますし』
『ふーん、それって相沢とかぁ?』
『は?』
この二人のやりとりを、僕の後ろで聞いていた百合。
『だって連絡とってるんだろ?』
ドクン…
『図星?』
『今は関係ねぇし。百合行こ』
『うっうん…』
百合の腕をつかんで僕は滝川先輩の前から消えた。
『百合‐まだ終わってねぇから』
と後ろから聞こえる。
ドクン…ドクン…
まだおさまらない僕の鼓動。
すると突然百合が
僕にとって衝撃的な事を聞いてきた。