時計の針が10時半を示していた。
まだまだ百合は来ない。
僕は喫茶店で待つ事にした。
すると携帯が鳴った。
~♪
『はい?』
『あっ優?俺歩~』
『うん?どうした?』
『パーティーどこでやるか決めてなかったからさ』
『あっそっか!!どうする?』
『んじゃ俺ん家来いよ!!』
『まじ?やったね。』
『てか沙紀が花火やりたいんだってさ~夏休み最後に』
『いいね~!!俺買って持ってくわ』
『おう!!さんきゅ!なぁ…優?』
『ん?』
『もう…絶対離すなよ、小林をさ』
『…ははっ大丈夫だよ…絶対離さねぇから!!』
『おし!!じゃあまた迎えに来て欲しい時、連絡待ってるわ。いつでも飛んでってやるからさ』
『さんきゅ…歩』
『おう!!じゃな~』
『お~』
―ピッ
僕は何回歩に救われただろう。何回歩に励まされただろう。
数え切れない程、僕は歩に助けられた。
歩、感謝するよ…
もう少しだ。百合に会えるのは。
百合が帰国する時間は、11時50分。
もう一時間を切った。


