─…あと一時間で学校が終わってしまう。
百合と一緒にいれなくなる。
学校が終わらなきゃいいのにって思った。
残りの授業は総合の時間。
『今日は遠足の班決めをします』
そう、もうすぐ遠足がある。
その班決めをこの時間でやるらしい。
僕は歩としか仲良くない。
だから班なんか決まるのかな?って思った。
『班は4人~6人で、男女同じ班でもいいし、別々でもいいからね』
と言う先生。
ざわめく生徒。
『優~どうする?』
『えーめんどくさ』
『歩~』
と駆け寄って来たのは沙紀だ。
『同じ班にしよ?』
『優いいか?』
『おう!いいよ』
『鈴木君!百合も一緒だよ』
『良かったな、優』
『おー…』
あっという間に班が決定した。
僕、歩、百合、沙紀の4人の最高メンバー。
早く遠足になんないかな。
すごく楽しみだ。
―キーンコーンカーンコーン・・・
学校が終わってしまった。
・・・帰ろう。
帰ってる途中ある事を思い出した。
今日は僕が好きな歌手の新しいCDが発売される日。
買いに行かなきゃ…
僕はCD屋に足を運んだ。
好きな歌手の棚から新譜を探す。
『あった。』
僕はCDを持ってお金を払い、店を出ようとした。
店を出ると、
またあの光景が目に写った。
百合と知らない人。
なにかケンカしているみたいだった。
僕は百合を助けようと必死にその場所へと走った。


