この涙が枯れるまで


今日は百合が帰国する一週間前だ。
僕は都会にいた。
あのブランド品店に。
あの指輪の前に。



『ラブリング下さい』



『あっはい。どちらのラブリングにされますか?』



僕の目の前には、ゴールドとシルバーの色の指輪が並べられている。

百合に似合う指輪の色はどっちだろう?
僕は悩んでいた。
悩んだあげく、僕はシルバーの方にした。



『今すぐもらえますか?』


『在庫ありますので、大丈夫ですよ』



『じゃあ…お願いします』


『何号にされますか?』



また僕は悩むはめになった。


百合の指輪のサイズ、知らなかった。


前にあげたペアリングは、少し大きかった。
だから少し下げようとしていた。
でもどこまで下げればいいだろう?
下げすぎて、入らなくなったら嫌だし…
ペアリングは9号だった。

僕は悩み、今度は7号にした。



『7号ですね?お待ち下さい』



店員の人が奥の方に入っていく。



『お待たせしました、こちらの商品ですね?』



『あっはい』



『ラッピングはされますか?』



『お願いします』



『カードはつけますか?』


『何もかかないでカードだけ下さい』



『分かりました』



少し時間が経つと、キレイにラッピングされた小さな箱が出てきた。


僕はお金を払い、店を出た。



百合への指輪が手に入った。