この涙が枯れるまで

地平線に沈んでいく夕日は、もうあと少しでなくなりそうだった。



『そっか~早く会いたいな!!良かったな…優』



歩は寝転がった。





『嬉しすぎるって!!』



僕も横になる。



『沙紀も早く会いたいな!!』


沙紀も横なった。



僕達の先には、夜空が浮かんでいた。



『なぁ…歩…沙紀…』



『なに?』
『ん?』



『俺…今日ずっと考えてたんだ…』




『うん?』



『このさ…海のずっとずっと先には、百合がいるのかなって…』




『うん…』



『今の俺にはすごく嬉しいんだ…ただ、海の先に百合がいるって事で』



『そっか…』
『うん』


『多分昔の俺は耐えれないと思う。不安で不安で俺はダメになってたかもしれない』




『………』
『うん』



『でも、今日来てさ、百合がこの世界のどっかにいるって事で、なんだか…嬉しくなるんだ…それだけで十分なんだ…
そりゃ…抱きしめたりしたいけど…俺百合が好きなんだ』



『優…変わったな…それでいいんだよ…』



『百合も今同じ事思ってると思うな~!!鈴木君に愛されてる百合は幸せモノだね』




『ははっそうかな…』


百合が幸せなら僕は幸せだ。