この涙が枯れるまで



『いつにする~?』



『やっぱ8月じゃね?』



『じゃあ8月の最初らへん?』



歩と沙紀が計画をしていく。



でも僕には疑問があった。


『待てって、歩と沙紀が今見てる海岸って遠くね?』



『だから?』



『だから、どうやって行くんだよ!!』



歩と沙紀が計画している海岸はここからだと結構時間がかかる。
それと電車なんかで行けやしない海岸だ。



『あっ優には言ってなかったな!!』



『は?』



『俺免許取ったんだ!』



『は?いつ?』



『最近!!俺誕生日4月だからさ!!』



『あ~そうなん?でも歩が運転するとか、まじ不安なんだけど……』



『沙紀も…』



『お前ら俺の運転テクニック知らんなぁ!!まじ上手いって』



『安全運転でよろしく』



『任せろ!』



海に行く日は8月2日。
もう夏が迫ってくる。
蝉が鳴き始める。



百合に会える時間はあと少しだ。



あと少しの我慢だ。

でも夏が迫って来ると同時に、百合との再会も迫ってきていた。