『鈴木君!!五位だったんだってね!!おめでとう~』
教室に戻ると沙紀が祝ってくれた。
『さんきゅ』
『沙紀~俺は?』
『え?歩何位だったの?』
『ひでぇ!!俺?聞いて驚くなよ?』
『うん』
『俺十三位!!』
『微妙~』
『歩、面白さにかける』
『は!?めっちゃ誉めてくれると信じてたのに!!』
『嘘だって。歩にしてはすごいよ』
『うんうん』
『何だよそれ!!』
歩はすねながら席に座った。
僕はこの事を百合に話したかった。
百合に報告したかった。
僕は無意識のうちにこの場所に来ていた。
星を眺めていた。
僕と百合の秘密の場所に僕はいた。
百合が空港で言ったように、
僕は横になりながら星を眺めていた。
隣に百合がいるように思える。
隣を見ると百合がこっちを向いて笑顔を見せてくれるんだ。
そしてまた夜空を見上げる。
百合が言っていたね。
このたくさんの星は、みんなの願いだと。
あのキレイで一番輝いている星は、百合の星かな。


