けれど僕は優柔不断だから、なかなか決められない。
『指輪ですか?』と店員の人が話かけてきた。
『あっはい』
『どのようなのがお好みですか?』
『ん~…決まってない…です』
『そうですか…このようなモノはどうでしょう?』
店員がひとつの指輪を僕に見せた。
『これ…』
『カルティエのラブリングです。若い人達に人気なんですよ。シンプルでキレイで』
僕は思わず見つめてしまった。
百合に似合いそうで、僕はその指輪に惹かれた。
『これっていくらしますか?』
『10万程しますね』
僕は値段を聞いて肩を落とした。
僕の今までのバイトの給料は10万も満たない。
買えないという言葉が駆け回る。
『また今度来ます…』
僕はブランド品店を出た。
折角百合に似合う指輪見つけたのに…
でも百合を喜ばしたい。
僕は以前やっていたバイト先に電話をかけた。
電話をかけたら明日から来て欲しいとの事。
百合に会えるまでの3ヶ月間、僕は死ぬ気に勉強をし、死ぬ気でバイトをする事にした。
全て百合のためだから。
ねぇ…百合。
僕は頑張っていた。
君のおかげで、僕は頑張れたよ。


