この涙が枯れるまで



差出人は安里だった。


《次の時間サボれるか?》

《大丈夫!!》

《じゃあ体育館の裏に来て☆》


《おっけ》



次の時間、安里と待ち合わせた。


僕はどんどん迷路にはまっていった。


―次の時間…



『安里?』



僕は約束通り、体育館の裏に来た。
もう安里がそこにいた。

『優悪いな、まぁ…座れよ』



『何だよ?話って』




『ああ…さっき久しぶりに優に会って思った事あったんだ』



『何だよ?』


『お前、ちゃんと笑ってないよな…』


『俺が?』


『あぁ…お前笑ってないぞ?全部作り笑顔』



『そんなつもりねぇよ』



『お前さ~一人で悩み過ぎじゃないか?』



『そんなつもりはねぇ』

『もしかして気にしてんの?俺が前言った事』



『……別に…』




『忘れろって言ったじゃん』



『考えたくないんだけど無理なんだよ…』



『ごめん…俺があんな事言わなければ良かったよな…でもな…優。いつか絶対誰かを傷つける。それは小林かもしれない。広瀬かもしれない。時間が問題だ』




僕はどっちかを傷つけるんだ。



百合かナナ。
二人は僕の天秤にかかっていて、それはどちらに傾くかは時間の問題なんだ。