僕は遅い足取りで学校に向かった。
今日はナナは隣にいない。
今日からナナと別々に行く事になっていた。
ナナは新しい家にから学校に通う。
僕が朝通る道は通らないから、僕達は別々に学校に行くのだ。



学校へ向かう途中も、夢が頭から離れてくれない。
前の夢もそうだった。
僕の頭から離れてくれなかった。

ナナの言葉、百合の言葉が次々と頭の中を余切る。



『はぁ…』


門から下駄箱まで100メートルくらいの距離なのに、今日は遥か先にあるような気がした。
やっと下駄箱に到着。



すると『優~おはよ』と声が聞こえてきた。


僕はビクッと反応をする。
僕の目の前に立っていたのはナナだった。



『ナナ…おはよ』



『おはよ!昨日はありがとね!!』


こう言い、ナナは僕の手を握ってきた。
僕もナナの手を握り返す。
二人で教室に向かった。

『ナナ教室入れよ、鐘なるぞ?』


『うん~…』


ナナはなかなか教室に入らない。


『どうした?』



『やっぱり一緒に学校来れないと寂しいなって思ったの』



『あはっば~か。毎日学校で会えんじゃん!!心配すんなよ!!』



『だって~…』



―キーンコーンカーンコーン


このチャイムが僕達の会話を裂いた。