ナナ…幸せになれるかな。
ナナなら大丈夫だよね。きっと、きっと。
でも人間ってとても弱いんだ。
元々強い人間なんていない。
みんな弱い人間から、努力をして強い人間になっている。
まだ僕は子供だった。


たかが17歳の弱い人間だったんだ。



『ただいま』


『おかえりなさい、お風呂入っちゃいなさい』


『分かった』



僕は疲れた体をゆっくり洗い、眠りについた。


…また夢を見た。
あの夢と同じ夢。


『優…私不安…だよ』



『ナナ……ごめん…』


『優は私の事嫌い?』



『好きだよ…ナナ』



『じゃあ何で…何でよ…』



『ナナ…ごめん…俺は君を守れない…君を幸せに出来ない…』




『あなたがいれば幸せよ…』


僕は何かを思い出す。
いつか誰かもこんな言葉を言っていた。


《優君がいればそれで幸せ》


あの別れた時、百合が言っていた言葉。
すると突然ナナの背後から百合が姿を現した。



『百合…』


『優君…私あなたがいれば幸せなの』



『嘘だ…』



『嘘じゃない…ずっとあなたが………』




~♪



携帯の目覚ましで目が覚めた。
また嫌な夢を見てしまった。
僕の心はもう壊れ始めていた。