それからの僕とナナの間には会話がなかった。
僕はこの状況がとても嫌だった。
ナナと話さなきゃ…



『ナナ?』



『ん?』


僕はナナにキスをした。


『ナナ?俺が好きなのはナナだけだよ!!分かった?』



『うっうん…恥ずかしい…』



『ナナ安心してよ!!大丈夫だから!!』



僕はナナに不安させないような笑顔を見せた。
するとナナも笑ってくれた。
まるで安心しているかのように。
でもそんな簡単に不安なんか消えないんだ。
僕も同じだった。
ナナも同じだったんだ。


『優!!今週の日曜日引っ越しなの』



『前言ってたね』



『うん、ホントはお兄ちゃんが大学を卒業したら暮らすはずだったんだけど、お兄ちゃんが待ちきれないらしくって…』




『そっか…俺も行くからさ、何時に行けばいい?』



『じゃあ9時に私の家に来てくれる?』



『うん、分かった!!』




『ありがとね?』




『全然いいよ』




僕はバスを降り、ナナがバスに残る。
僕は何回も何回も手を振った。
そして家に着く。
もう僕の胸は誰かに締め付けられて苦しかった。
すごく気になるんだ。
百合が言おうとしていた事が。


気になって夜も眠れないんだ。