今思い出した。
ここはナナの家。
『あっ!!俺挨拶しなきゃ!!』
『え?誰に?』
『ナナを育ててくれた人達に♪』
僕は仏壇に行った。
手を合わせ、僕はお礼を言う。
《鈴木優といいます、ナナを育ててくれて感謝します》と心の中で呟く。
そして遺影に視線を移した。
ナナのお父さんは、一見怖そうだけど、何か暖かい感じがした。
ナナの大好きなお父さん。
ナナを幸せにします。
ナナのお母さんは、ナナに似ていた。
すごく優しそうな人だった。笑顔がとても似合う人。
ナナの大好きなお母さん。
ナナを大切にします。
『優?終わった?』
『うん』
『何言ったの~?』
『内緒』
『え~!!あっ私の部屋行く?』
『お~!!』
僕はナナの部屋に行った。
ナナの部屋は、片付いていた。
本棚には本がなく、タンスには服がなかった。
あるのは、ベットだけ。
ナナが家を出る時に持っていったのだろう。
でも少しだけ、ナナを感じれた。
『何もないでしょ?』
『…そんな事ないよ』
僕達はベットに座った。握られた二人の手。
僕は離そうとしなかった。


