僕達は施設に少しだけ滞在してあとにした。



『先生ばいば~い!!』



『また来てね~!!』



『ナナ姉ちゃん~ 優兄ちゃん~ また遊んでね~!!』



いつの間にか、僕は《優兄ちゃん》と呼ばれていた。



『優兄ちゃんだって』



『うるさい』




『ホント久しぶりで嬉しかった~!!楽しかったなぁ!!』



『何かナナの事、いっぱい知れた気がする。』



『ホント?』



『お~』




『次は…私の家に行こっか』



次に向かったのはナナの家。
ナナのお父さんとナナのお母さんとナナのお兄さんとナナが楽しく住んでいた家に向かった。
ナナの家は隣の県にある。
でもそんなには遠くなかった。

隣にナナがいたからかな。
時間なんて忘れていた。
そして、ナナの家に向かう。



『家はまだちゃんとあんの?』



『あるよ~!!まだ取り壊してないもん』



『そうなんだ? でも、誰も住んでないんだろ?』

『うん、誰もいないよ』



『大丈夫なの?掃除とか…』



『掃除?あぁ~うん!!だって叔母さんが定期的に掃除に来てくれてるから!!』



『そうなんだ!!』




僕達はナナの家に一歩ずつ近付いて行く。


『もうすぐだよ!! あっあった!!』



ナナの家が見え始めた。
すると同時に、ナナの家の前で誰かが立っているのが見えた。
どことなく誰かに似ている。



その瞬間ナナは、僕の手を離し、走って行った。

『…………お兄ちゃん!!』