『私は無理だよ…』


『何で?どうして?』


『鈴に悪いじゃん!!!それに私、和哉を幸せに出来ない』


『俺はお前が隣にいるだけでいい。ホントに』


『ごめん!!!』


私は逃げ出した。



和哉…


ごめんね。



私…小さくて弱虫な人間で。


もう少し時間があったら、私は偽る事なく、素直に出来ていたのかも知れない。

和哉…ごめんね。



私は部屋で泣いた。


泣いても泣いても止まる事なく、ただひたすら流すだけ。




次の日、着信音で目が覚めた。


《着信 鈴》



『鈴?どうしたの?』


『今から出れる?』


その声は完全に怒っていた。


どうしたのだろう…


私は待ち合わせのファミレスに行った。



そこにはもう鈴がいた。


『鈴?どうしたの?』



『…私先輩から聞いたんだ~』


『何を?』



『先輩の好きな人の名前』


『………』


『ナナだってね。私笑っちゃったよ。ナナ達、私と出会う前に知り合いだったらしいじゃん。じゃあ知ってたんだよね?先輩がどんな人とかも。私がアド聞く前に、ナナ、先輩のアド知ってたんでしょ?』



『…………』


『それに、この前私の事言ったらしいじゃん。何で振ったかって』


『…うん…』


『大きなお世話だよ!!!何でそんな事聞いたの?見てて面白かった?』


『違うよ…私は鈴のために…』


『大きなお世話だって!!!いいかげんにしてよ。』


『…ごめん』


私はただ謝る事しかできなかった。



私は…本当に未熟モノでした。