…久しぶりに鈴とバイトが同じになった。
和哉からの連絡は全て返していない。
『鈴大丈夫?』
『うん…』
『元気出してよ?』
『大丈夫…てか振られちゃったの…』
『う…そ…』
『好きな子が頭から離れないんだってさ…』
『……………』
鈴の泣き顔を見ていると私の胸が締め付けられた。
そして和哉に連絡をした。
この行動が悪かったのかな。
大きなお節介だった。
『和哉ごめんね、急に呼び出して』
『おう…でも何で連絡してくれなかったの?』
『ごめん…私聞きたい事あるんだけど』
『何?』
『何で鈴って子振ったの?』
『ナナ知ってんの?鈴って子』
『バイト一緒だもん』
『…好きな子いるから』
『誰?その好きな子って』
『……お前だよ』
私は言葉が出なかった。
和哉が私を好きと言った。
私はただ立ちすくすだけ。
それで精一杯だった。
嬉しかった。
でも鈴の泣き顔が頭をよぎる。
精一杯な私が言った言葉…
それは素直な気持ちではなく。
偽りの気持ち。
《ごめん》
ただ一言。


