少しずつ話していくと、だんだんその状況にも慣れてきた。
そして私は思いきって質問をした。
『和哉は、どんな子がタイプ?』
『俺?俺は…何だろ、隠し事がない子かな』
それを聞いて私の心が揺れた。
私は和哉に隠し事をしている。
親がいない事
施設に入っている事
私はもう無理だと思った。
私は和哉にふさわしくない。
自然と涙が溢れてきた。
和哉を想えば想う程、
切なく散っていく
私の恋。
私の涙に気付いた和哉は驚いていた。
『ナナ??!!どうした??』
『何でもないの…ごめん…私帰る』
私は心配する和哉を置いて公園を後にした。
私は和哉にふさわしくない人間だと思った。
部屋に着くと私は携帯を手にした。
着信履歴1件
メール 2件
メールは全て和哉からだった。
そして着信履歴は鈴からだった。
私はすぐ鈴に電話をした。
『鈴??どうしたの?』
『ナナ…先輩ね、好きな人いるんだって~…』
『嘘?誰?』
『分かんないの…高校同じじゃないらしいし…』
『そっか~…でもまだ終わってないじゃん!!頑張ってよ!!』
『ぅん…頑張るぅ~』
それから少し話して電話を切った。
私の運命の歯車は完全に止まっていた。


