この涙が枯れるまで



……ある日バイトが終わり休憩しているとオーナーが封筒を渡してきた。


『広瀬さん、一ヶ月お疲れ様!!』


今日は25日。

給料日だった。


『ありがとうございます!!』


『これからも頑張ってね!!』


『はい!!!』


初めて自分で働いたお金。
嬉しくてたまらない。


封筒の中を見てみた。


約4万円。


私はこのお金を大事にとっておいた。


貯金をする事にした。

いつか施設に寄付しようと考えていた。


でもひとつだけ欲しいものがあった。



それは携帯電話。


バイトに携帯がないと不便だったから。


それに、和哉と連絡が取りたかったから。


私は翌日携帯を買いに行った。


でも未成年だと携帯は買えない。


先生に行って、ついてきてもらった。



先生に言った携帯を買う理由は夜遅くなる時に施設に連絡したいからと言った。


先生…ごめんね。


私は自分の事でいっぱいでした。


周りが見えていませんでした。




そして携帯を買った。


不慣れでどうしたらいいか分からなかった。


まず最初にした事は、和哉の番号をアドレス帳に入れた。



No.000 和哉



一番最初は和哉


二番目は施設


三番目は鈴


四番目はバイト


私の携帯のメモリは寂しかった。