少し和哉と話してから私は別れた。
家に戻ると私は、明日の準備をした。
明日私は新たな道へと行く。
そう思い眠りについた。
―翌日…
カーテンを開けると空は快晴。
鳥のさえずりが聞こえる。
まるで私を祝福しているかのように。
私の胸は弾んだ。
『叔母さん…一年間お世話になりました』
と私は叔母さんに挨拶をした。
叔母さんは何も言わず、朝食の準備をしていた。
そして家を出ようとした時、叔母さんが玄関に来た。
『風邪…引くんじゃないよ。気を付けてね。あとで施設の人に挨拶しに行くから。』
と言った。
私はただ
『うん…』
しか言えなかった。
これが叔母さんの最後の言葉だった。
そして叔母さんの最初で最後の優しい言葉だった。
私は施設に向かう途中、涙が出て前へ進めなかった。
叔母さんの温かい言葉が胸に染みた。
ごめんね、叔母さん。
私…こんな人間で。
でも私は生まれ変わる。
生まれ変わって、ちゃんとした人間になったら
叔母さんに会いに行きます。
そして《ありがとう》と言います。
気が付けばもう12月。
学校へもう一年くらい行っていなかった。


