この涙が枯れるまで



前もらった紙を手にする。

『090…』

ひとつひとつボタンを押していった。


出るかな。

もしかしたら和哉は今学校の授業中かもしれない。


すごい不安だった。


―プップッ…


かかれ…かかれ…



―プルルル


かかった!!!!!

思わずその場を立ってしまった。


ひとつ鳴る度緊張が増していく。



しばらくすると、


『…ふぁい』

和哉だ。

明らかに寝起きだった。


『和哉!!私ナナ!!』


『ン?おぉナナ!!』


『あのね!!バイト受かったぁ!!』


『お?まじで?やったじゃん!』


『和哉のおかげだよ~
でも騙したのがすごく嫌…だってオーナーすごくいい人だったもん…』


『大丈夫だって!頑張れよ』

『うん!ありがとう!!』


会話が途切れてしまった。

まだ和哉と話がしたい。

和哉ともっと話がしたい。


すると和哉が

『…今から会える?』


私は思わず

『え?』


と言ってしまった。


『俺今日学校休んだから~ヒマなんだ… 無理?』


『ううん!!!全然大丈夫!!』


『じゃああの公園で待ってる』


私は電話を切った。


ねぇ…私今どんな顔してるか想像がつくよ。


すごい笑顔になってる気がするよ。