この涙が枯れるまで


『…バイトの面接の子?』

『はい!!!よっよろしくお願いします!!!』


彼女は私を見つめ、優しく笑った。


『えっと…私がこの店のオーナーの川本です。履歴書とかある?』


あっ履歴書…

履歴書の存在を忘れていた。


『えっと履歴書…ないです』


私はこの時点でもうダメだと思った。


『いいわよ。じゃあ質問していくから答えてね?』


『はい…』

『名前は?』


『広瀬ナナです』



『何才?』

『16です』


『週何日くらい入れる?』

『夕方の…4時からぐらいで、週4は入れます』


『両親はバイトの事許してる?』



私はこの質問に戸惑った。

でも答えた。

『…はい』


『分かったわ。いつから入れそう?』


『えっ?私でいいんですか?!』

『ダメなの?』


『いえ…』


『あなたならちゃんとやってくれそうだったのよ』


そう言ってもらえてすごく嬉しかった。


そしてエプロンとカッターシャツとズボンを渡された。


バイトは明日から。


明日楽しみな事が多かった。



そして私は帰って行った。

今日で最後となる叔母さんの家に。



家に帰ると叔母さんはいなかった。


私はテーブルに今日もらった紙を置いて、
部屋に戻った。



そして和哉から前にもらった紙を取り出した。