…私は朝早く向かった場所。
そこは学校でもなくて、和哉のとこではなくて、
施設に向かった。
早く早く先生に言いたい。
私の足取りは早くなっていった。
『先生~』
門から先生に向かって手を振った。
それに気付いた先生が手招きをする。
私は施設に入っていった。
『先生聞いて!!私施設に入れる!』
『本当に?大丈夫なの?』
『昨日叔母さんに言ったら納得してくれた!』
『そう。良かったじゃない!! じゃあ明日から入る?』
『うん!!明日からがいい!!』
『じゃあこの紙に叔母さんの家のハンコをもらってきて欲しいの。あと叔母さんに記入するところを記入してもらってね、私叔母さんのところに挨拶しに行かなきゃね』
『分かった!!!楽しみ!』
『じゃあ明日この紙と荷物を持っていらっしゃい。ナナちゃんの部屋作っておくから』
『うん!!!』
私はこの時久しぶりに元気に返事したかもしれない。
大きな希望を抱いて私は走り出した。
公園のトイレで少しだけ化粧をする。
『大丈夫かな…ちゃんと高校生に見えるかな…』
そう、今からバイトの面接だった。
喫茶店は施設の近くにある。
ここなら毎日通えそうだった。
―カラン… コロン…
喫茶店のコーヒーのいい匂いがした。
すると、奥から誰かが出てきた。


