この涙が枯れるまで



私は毎日施設へと通った。
でも和哉には会えなかった。


毎日施設へ遊びに行くと、小さい子供達が私の事をお姉さんのように慕ってくれた。

毎日楽しかった。

施設にいる時が一番安らいだ。

辛い事もなかった。


そして私はある日、和田先生に言った。


『先生…私施設入りたい!!!』

これを聞いた和田先生はびっくりしていた。


『…でも大丈夫?叔母さんに言ったの?』


『まだ…言ってない。でも私施設がいい…』

『そう…分かったわ。今日叔母さんに言ってみなさい?そして話し合った結果を明日教えて?』


『分かった!!』


『でもナナちゃん、だんだん良い笑顔になってきてるわよ』


そうかな?


私…少し変わったかな?


施設に入ったらもっと良くなる気がする。



私…施設に入る。

絶対に。




私は施設から帰って来る途中、あの人に会った。


私を助けてくれた人。

和哉に。



すれ違う瞬間、

和哉が私の事に気付いた。

『…ナナ?』


『…うん』


『ナナ!!…もう大丈夫なん?』


『この前はホントにありがとうございました!!もう傷治りました』


『良かった~!連絡来なかったから心配だったんだ』

『ごめんなさい…直接の方がいいと思って』


『そっか。いいよ!つかこれから時間ある?』


7時を回っていた。

帰って叔母さんに施設の事を言おうと思ったが、私は和哉との時間をとった。