この涙が枯れるまで

─…私は気付いたら走っていた。


教室を出て学校を飛び出した。


いじめていた子達が私を追い掛けて来る。


でも私は必死に逃げた。


ある公園まで走ってきた。
ここまでこれば安心だと思ったから。


『はぁ…はぁ…』


息が上がる。


うまく息が出来ない。

私は自分を落ち着かせた。

ふと頭に手をやる。


手を見たら血がついていた。

私の頭から血がでていた。

さっき椅子を投げられた時に当たっただろう。


私は持っていたタオルで血を拭いた。


意識がなくなっていく。




しばらくして、私は目を開けた。

もう周りは夜遅かった。

寒くて寒くてたまらない。


でも一番寒いのは自分の心だった。


私は何かが変わった。


そう思った。



そして私が叔母さんの家に帰ろうとした時、

『お嬢ちゃん…』

と声をかけられた。


私は振り向く。


そこには50代ぐらいのおじさんがいた。


私が恐くて逃げようとした時、その人が私の手を握った。


何がなんだか分からない。


恐くて声もでない。

どうしよう…どうしよう…


『お嬢ちゃん…おじさんと遊ぼうよ…』


嫌…


嫌だ…


助けて…



お兄ちゃん…