この涙が枯れるまで



その夜、私は叔母さんにある事を言われた。

それはキマリだった。

―ご飯は一緒に食べない

―必要以上に家族と話さない

―お風呂は一番最後

―わがままを言わない

ー欲しいものがあっても欲しいと言わない


息がつまりそうなキマリだった。


こんな毎日が続いていく。
でもお兄ちゃんから一ヶ月に一回送られてくる手紙で頑張れた。


でもその手紙も半年で途絶えた。


そして一年、二年と過ぎ、私は中学生になった。


一年、二年過ぎてもお兄ちゃんは迎えに来なかった。


私は県内の中学校へと通った。


誰一人として知る人はいない。



―入学式…


鮮やかな桃の花びらが散る。


私は積極的だった私から、地味で静かな私へと変わった。


『ねぇねぇ!どこの子?』

と私の席の前の子が話しかけてきた。


どこの子?と聞かれても答える事ができなかった。

私は小学校を卒業していない。

隣の県へと移ってきたが、その後小学校へは通わせてくれなかった。


毎日叔母さんの農業の手伝いをしていた。


だから答える事すらできなかった。



『何この子~』

『どうしたのぉ?』

『この子話しかけても無視するんだけど~!!!ウザッ』



私は誰ともはなさない。


私は暗い世界へと足を踏み入れた。