『はい、これアドだよ!!』
百合から連絡先が書いてある、手紙を貰った。
『ありがとう、今日するね』
『待ってるね』
やった!!!俺すごい!!
今日の夜が楽しみだ。
『優ーよかったな!』
『歩!まじありがと!お前最高!』
僕は貰った手紙を握り締め、歩にお礼を言った。
『照れるからーだって俺らダチじゃん?』
『さんきゅ!!』
するとそこへ和樹が僕の教室に入ってきた。
もうすぐ授業が始まるのにも関わらず…
僕は百合からの手紙を隠そうとしたが……
『この手紙何?』
和樹に呆気なく手紙を取られてしまった。
取り上げようとしたけれど、既に遅かった。
『和樹、教室出ようぜ?』
僕は内心、かなり焦っていたが、冷静さを装って、和樹を連れだした。
『優!!これってあの子のアドだよな?』
『………おう』
『まじで?! 俺の為に??まじ感謝!』
『…………』
やばい……どうしよう。
僕は何も言えなかった。
―キーンコーンカーンコーン・・・
こんな間が悪いときにチャイムが鳴る。
タイミング悪すぎだろ…
『俺今日メールしてみる!!じゃあな!』
元気よく教室に戻っていった和樹。
僕もしぶしぶ教室へ戻る。
席に着くと、
『顔青いぞ?どうした?』
歩が僕の異変に気づく。
はっきりと顔に出ていた…
でも歩には言えない…
せっかく協力してもらったのに、手紙を取られたとか言ったら怒るに違いない…
黙っておこう…
これでまた百合との距離は離れていった。