約束の時間は、とっくに過ぎていた。

半ば諦めの気持ちで、ドアを開ける。


「いらっしゃいませー」


店員さんの声が店内に響く。


あの日、俺達が座った場所に…

彼女はいた。



「南っ…ごめんな、遅くなって…」


「あ、ううん…来てくれたんだね…ありがとう。座って?」


「俺、お前に話があるんだ…!」

「えっ…?」


いい話は想像してないのだろう、
少し表情が不安そうだった。


「あたしも、あります」


「ごめん、俺からしていい?」


「え……うん…」