しばらく、辻本の戦闘を見ていた。





隠密部隊のNO.6とNO.8は辻本に手も足もでない。









辻本の持つ装備は高速戦闘を可能にさせたものだろう。






人間の視界からでも見ることのできない早さで戦っていた。












「レイ、あの装備はなんだ」





俺は辻本の付けている靴を指差した。






「あれは『ギア』というものだ。
移動速度を上げるものだ」






「どれぐらい早いんだ」








「音速を超えるとされている。
ただ、開発途中で問題点があるんだ」








「ほう、なんだ」







「あれを扱える人間は総長以外いないんだ」







「なんで…」











そのとき、俺の身体が誰かに掴まれた。











俺は確認するとNO.8と呼ばれている奴に掴まっていた。








「離せ」










ボロボロ姿のNO.8は俺の話など無視をして、辻本を見ていた。








「『赤い死神』。こいつは俺たちが預かる」










辻本は動こうとした。









「動くな」









そういうと辻本は動かなかった。






人質に獲られた俺を見て動くのを止めた。










NO.6は掴まっているNO.5を『念力』で持ちあげた。







「この男を死なせたくなければ、もう俺たちの邪魔をするな」










そう言い、男は俺を捕まえたまま、民家を離れた。