「アック、その研究施設はどこにあるんだぃ」







「『ノワール』さ」






俺は驚きアックに顔を向けた。俺の知らない情報だったからだ。








「どういうことだ。
俺の調べた情報だと『ノワール』での研究はされていないはずだ」




「それがつい最近発見されたんだ。
その研究施設でNO.8が産まれたとされている」





「馬鹿な…。八人目はこの国で産まれたことになっているぞ」






「産まれたのはこの国だけど、産まれる前は『ノワール』に研究されていたんだ」







「つまり、八人目は『ノワール』の技術で作られ、産まれた場所はこの国『デレーブ』ってことだな」







「そうだよ」







「どこにあるんだ。その研究施設は…」






「ポイントX295-Y123」








俺は地図を出し、言われたポイントを探し、印を付けた。








「この場所にあるんだな」







「そうだよ」









「この情報が古いと話していたが、いつ頃に入荷したものなんだ」









「先週の月曜日だよ」






「どこからの情報だぃ」







「それは言えないよ。ビジネスチャンスをなくしちゃうからね」









アックはこれまでに会った情報屋の中では優れていた。














情報に対するビジネス感覚は俺以上かもしれない。














こんな情報屋がいなくなるのは惜しいものだ…