俺は高校時代の辻本の顔を頭に浮かべた。

確かに似ているけど…。




こんなに美人だったかと思った。








「辻本…。本当か」








また美人は笑いだした。






笑われてもいいさ。






本当かどうかわかるまでは信用なんてしない。






「辻本なら、証明できるもの見せてくれよ」






美人は運転免許書を出した。





そこには『辻本アカネ』と書かれていた。








「おい、パスポートも見せてくれ」









ポスポートの名前を見たが『スカーレット・アイ』と書かれていた。








「運転免許書とパスポートの名前が違うじゃないか」





「偽名よ。私の『ヘブン』での地位知っているんでしょ」





「辻本は『W』の最高指揮官であり、軍の将軍の役所にいる。
そんなこと、『ヘブン』でなくても誰でも知っていることだ」





「それなら、わかるでしょ。
私はパスポートに偽名を使っていることだって」




「いいや、俺は信じない。
仲間に連絡する。
本当かどうか分かるまで信じない」








美人な女性はため息をついた。











俺は軍施設周辺から離れ、通信器で伊藤に連絡した。








ピー…ピー…









繋がらない。





早く連絡に出ろよ。








緊急事態なんだから…










そのとき









バーン








軍基地から爆発音が響いた。








すぐに警報が流れた。








町にはブザー音が鳴り始めた。














何が起きているんだ。