始業式が終わり、教室に戻っても誰とも話さなかった。


俺は自分と周囲のやつらと何が違うのかを分析した。








そして、一つの答えを出した。


こいつらは一人になるのが怖いんだと…


共に考え、共に行動をして、共に楽しむ







俺には理解できないことだった。



一人が良いに決まっている。









兵頭先生が現れた。







「それじゃあ、これからクラスの皆に自己紹介をしてもらいます。
これから一年間過ごす仲間のことを知り、友達作りのきっかけにもしてほしい。
それじゃあ、赤井から出席番号順に始めてくれ」


「はーい、それじゃあ。
俺は赤井です。南中から来ました趣味は…」







人のことなどどうでもよかった。


もうこんな場所になんて来ないのだから…










一人一人が自己紹介をしていった。


皆が拍手をしたり、笑ったり、驚いたり…







そんな姿を見ていてもどうでもよくなった。








気がつくと、俺の番になっていた。


俺は皆の真似をして椅子から立ち上がり先生の方を見た。





「山本タクヤです。宜しく」



俺は席に座ろうとした。



「趣味は何ですかー」



女子の声が聞こえた。面倒だ。



「趣味はー、ゲームです」



「何のゲームですか」



「『infinite information』ってゲームです」











クラスの皆が笑いだした。