ピクリとあたしの眉が上がる。


 その様子に気付いた侑叶くんが


「夢人さんっ!!」


 と止めに入った。


 中島夢人はやっと気付いたのか口を押さえている。


 が時すでに遅し。


 あたしの耳はしっかりと、あのセリフを聞いた。


「そうだね、生徒会に害はないよねー♪」


 と笑顔で言うと


「すみませんっっ、今まで男しかいなかったから、お前の事忘れてたって言うか・・・」


 忘れてた???


「あー、そう、へぇ、夢人君は人のことを忘れる様な人だったんだぁ。」


 あえてクンづけで言ってやると中島夢人はアタフタしている。


 ふんっ、いい気味よ!!


 人のことを男というし、それだけじゃなく、人のことを忘れるとか・・・マジありえないし。


 と思っていると


「おい、お前が男でも何でも良いけど、そろそろ挨拶運動が始まるんだけど。」


 と川瀬怜が言う。


「あ、そうだね。」


 あたしも納得し生徒会室を後にする。