【短】生徒会の秘蜜〜非日常的な日常〜




僕はきっと、キミの笑顔を好きになったんだよ。



あの日、あの場所で、あの瞬間にキミが魅せた偽りの無い綺麗な笑顔に。



僕の視線の先には、微かに赤らんだ頬、穏やかで僕にとっては眩しすぎるほどの微笑みを浮かべる誰よりも愛おしいキミ。


けれど、その笑顔が僕に向けられることはない。

いや、この言い回しはちょっと違うかもしれない。

笑顔を向けられることはあっても、そこに含まれる感情に好きと言う、愛しいと言う感情が無いのだ。

僕がどんなにキミを想っても、どんなに熱情を向けたって、それは報われることのない完全に一方通行の感情。

それは属に言う、片想いで。


僕自身が來美に向けるこの気持ちに気付いたのは、悲しいことに來美が僕のよく知る人物と付き合い始めたことを知ったときで。

その時にはすでに、僕にはどうしようもない状況になっていた。


「はぁ…」


「ソラさん?大丈夫ですか?」


「…ッ!」


無意識に、と言うわけではなく、気鬱になった気分を落ち着かせるために溜息を吐き出した瞬間。

まさか、今の今まで僕の思考を占めていた少女から声をかけられるなんて、微塵も思っていなかった僕は柄にもなく驚いてしまった。


「ラビ、いつからそこに居たの…?」


「え、今ですよ?」


「そう…」


ラビからの問い掛けに応えることなく、騒めく心中を悟られまいとはぐらかすように質問で返す。

けれど僕の気持ちに全く気付かない鈍感なラビは、純粋に僕を心配しているらしく困ったような表情で再び同じ問い掛けをしてきた。