【キラービー】〜怨霊がさまよう学校で〜


小森が指を指した方向を全員が見た。

血が引きずられている廊下の奥から彼は来た。



返り血を全身に浴び、左は無惨にも無くなっていた。右手には血だらけのノコギリを持って、彼はこちらに近づいた。


人間には思えない生気の抜けた顔は悲しそうに、また憎悪に満ちた顔だった。




左手の無い少年
「……あまりにも五月蝿いから何処にいるかすぐ分かったよ。


手に持った巨大なノコギリを引きずりながら、こちらに近づいた。



左手の無い少年
「…………前の奴は隠れるのが上手だったけど…お前らは馬鹿だな、自分から居場所を教えてくれるなんて…。


巨大なノコギリを構えてさらに向かった来た。





左手の無い少年
「僕ね…見れば分かるけど左手が無いんだ…、きっと誰かが僕の左手を盗んだんだ…。


六十地 美月
「え…?


左手の無い少年は自分に近くにいた美月に近づいて来た。




左手の無い少年
「返してよ…僕の左手を返して…返ぇぇえせぇぇ!!


少年は美月に向かって横にノコギリを振った。


六十地 美月
「きゃああああああぁぁ!!


反射的に美月はしゃがみ込み、ノコギリは柱にぶつかった。