お前を庭にたたせる


白い柔肌に、無垢なワンピースを一枚着せて




さて、なに色に染めてやろうか


庭に降りしきる強い雨




「お前なんかいらない」


雨の色が、黒に変わる


お前の全身を黒い色の雨がうつ




「お前なんか死ねばいい」


雨の色が、赤に変わる


お前の全身を赤い色の雨がうつ




「お前は大地、お前は空、お前は大輪の向日葵」


茶色の、青の、黄色の雨がお前をうつ




お前をうつ、雨の色はおれの一言でどうとでも変わる




「お前の色はおれが決める」




はげしい雨に煙る向こうに


お前の笑みが見える




そう、それだ




何の感情も見えない




無色の笑みが




それがコワい




だから色で、染めあげる




オレの心の




雨はまだ降り止まない