校門を出た所で健と別れると、俺はいち早く病院に向かった。
エレベーターを使い、ツツジの部屋に直行する。

「ユウ!」
ドアを開けた途端に、ツツジが大きな目をチラつかせて駆け寄った。
まるで待ってましたと言うように。

「待った?」
「いや、待ってはいなかったけど。」
おいおい、そこは「待ちくたびれた」がお約束だろ。
「あれ?いつもと服が違う。」
「今日からまた学校だからな。」
「へぇ・・・学校・・・。」
ネクタイが気に入ったのか、何度もいじる。

「この前みてぇに、早く来れねぇかもしんねぇから。」
「・・・そっか、楽しそうだなぁ。」
「お前が思ってるほど、楽しくも無いぜ?教師は威張ってるし、授業はメンドくせぇし。」
「え?そうなの?」
意外そうな顔でツツジが言った。

「あぁ。」
「ユウも色々と大変だね。」
全くだ。と、ベットの横に腰掛ける。

「大変と言えば・・・」
「ん?」