真央って、誰だ?
『今・・・その腕を治してやるからな。』

腕・・・?治す・・・?
何のことだと心の中で思った瞬間、

ドカーーーーン!!・・・・

爆発音。近くの科学部室からだ。
近くにいた女子が腕を組んで言う。

「あー・・・あのバカ男、またやってる。」

科学部室を見ると、煙の中から男が一人飛び出す。
あ・・・。コイツ知ってる。
背は180cmくらい。
黒髪が首の根元まで、前は目が隠れてほとんど見えないくらいまで伸びている。
ネクタイが青色だから、2年生だ。
あいつの名前、確か・・・・

橘(たちばな) 弘(ひろむ)

たった一人になった科学部員で、顔もいい方なのだが、このような妙な実験を毎度繰り返しているため、女子からはあまり人気が無い。

最近は特に同じ物に集中していて、腕を造っているのだとか。
「くそ・・・・。」
柔らかそうな髪を搔きながら、弘がうめく。
すると、いきなり向こうの方で女子の悲鳴が上がった。