「・・・まあな。」
それを聞くなり、お袋とはカッと目を開いた。
「え!?」
目がむき出しの顔で、お袋は俺を見る。
「す・・・好きな子って・・・!どんな子なの!?」
「そりゃ・・・可愛いし、性格もいいし、頭は分からねぇけど・・・。」

その言葉を聞いて、姉貴もこちらを向いた。
「ふ~ん・・・。そいつ、ドコにいんの?」
「菊野病院。入院してるんだってよ。」
「・・・そうか。なあ、そいつの写真かなんかあったら見せてくれよ。見たいからさ。」
前半部分が、何故か考え込んだように見えた理由は、俺はまた後で知る事になる。