あたしが感傷に浸っていると、一階の方からガチャガチャという音が聞こえてきた。 あたしは慌てて自分の部屋から出て、階段を駆け降りていく。 すると……… 「藍那〜!!おかえりなさいっ!!」 高く、興奮した声を聞いた瞬間、あたしは柑橘系の香りに包まれた。 「マ…ママ……苦しい……。」 「あっ!ごめんね。大丈夫?」 うん。とあたしが返すと、ママの後からも久しぶりに聞く声が聞こえてきた。 「藍那。おかえり。」 「パパ…!ただいま。」 パパも一緒に帰って来ていた。