その二人に続いて桜華の人達は出ていく。


最後に黒髪の人が残った。



「なんか、うちのヤツラが言いたい放題言っちゃって、悪かったですね?」



薄く笑うその人。



「俺は嘉。新倉嘉って言います。桜華に用があるときは俺のこと呼んだほうがいいと思いますよ。

総長の奴は、あんまり人当たりが良くないんで。」



ははっと笑う。



「じゃあ、お騒がせしました。」



さようなら、と告げて部屋を出ていく。




その眼鏡の奥の目の表情があんまり見えなかった。