何分そうしていたか分からない。
あたしの体の震えは止まらなかった。
怖い
怖い
怖い
気持ち悪さはもうなかったけど
そのかわり怖いという感情があたしの心を覆った。
あたしはまた、目をギュッと強く閉じた。
するとまたフワッと爽やかな香りがして
あたしはその香りに包まれた。
………え、何――?
あたしの肩に、大きめのブレザーがかけられた。
バッと顔をあげると、さっきまで喧嘩をしていたあの人がまだいた。
「あの………」
あたしが口を開くと
「無理してんだろ?もう何も怖くねぇよ。」
少しだけ目を細めて、その人が言った。



