黄昏色に、さようなら。


良子ちゃんと手下の五人。


攻撃を仕掛けるなら、同時でないと意味がない。


二人で手下を片付けている隙に、あのグリードはやすやすと良子ちゃんを傷つけることができるだろう。


私では、男子生徒五人を短時間で倒すのは、到底無理。


かと言って、覚醒したばかりのゴッド・ハンドをターゲットを絞らずに発動させるのは、危険すぎた。


下手をしたら、純ちゃんの力まで吸い取ってしまうかも知れない。


純ちゃんが言う方法でしか、良子ちゃんは助けられない。


頭では理解している。


でも、


でも、もしも、失敗したら――。


背筋を走る恐怖で、答えることができない。


『風花、自分を信じろ。お前ならできる。そう思ったから、俺は今ここに居るんだ』


諭すように言うその言葉に、静かに目を閉じる。


自分を信じる……。


もう一人の風花が、魂を削って命を救い、未来を託してくれた、


もう一人の良子ちゃんが、命と引き換えに、力を目覚めさせてくれた、


純ちゃんが、守るべき庇護者ではなく共に戦う仲間として信じてくれる、『望月風花』という自分自身を――。


大きく息を吸い込み目を開け、純ちゃんの肩越しに、良子ちゃんを真っ直ぐ見据える。


あそこに居るのは、私の大切な友達。


もう二度と、失えない友達。


なら、この手で守るしかない。


『分かった。合図して。それと同時に、私は良子ちゃんの背後に飛ぶから』


ギュッと握り込んだ両手に力を込め、純ちゃんの背にテレパシーを送る。


『了解』


純ちゃんの横顔に、会心の笑みが宿った。